特許出願にいくらかかる?──費用・期間の基本と、中小企業が使える減免・早期審査
「特許は費用も時間もかかりそうで、なかなか踏み切れない」——これは、中小企業やスタートアップの方からよく伺う声です。
今回は、出願にかかる費用と期間のおおまかな全体像と、中小・スタートアップが「安く」「早く」権利化するために使える制度を整理します。
費用は「庁費用」と「専門家費用」に分けて考える
特許にかかるお金は、大きく二つに分けると整理しやすくなります。
ひとつは特許庁に支払う費用(出願料、審査請求料、登録後の特許料=いわゆる年金)、もうひとつは弁理士に支払う費用です。
特許庁費用のなかでは、審査を始めてもらうための審査請求料が比較的大きな割合を占めます。
また、特許料は権利を維持する年数が長くなるほど積み上がっていきます。
「いつ、何に、いくら払うのか」を時間軸で把握しておくと、予算が立てやすくなります。
期間の目安
審査は自動では始まらず、出願から3年以内に「審査請求」をする必要があります。
請求後、最初の審査結果(一次審査)が届くまでは、通常おおむね10か月前後とされています。
後述の早期審査を使うと、これが数か月程度まで短縮されることが多いようです(※審査状況により変動します)。
中小企業・スタートアップが使える「減免」
中小企業やスタートアップ、個人事業主などは、一定の要件を満たすと、審査請求料と特許料が軽減される制度を利用できます。
軽減の割合は要件に応じて2分の1または3分の1とされています。なお、出願料や第11年目以降の特許料は対象外です。
また、2024年(令和6年)4月以降に審査請求した出願については、中小企業向けの減免に一定の件数制限が設けられています。
海外への出願を考える場合は、費用の2分の1を補助する「中小企業等海外出願支援事業」(補助金)もあります。
いずれも要件や上限があるため、利用前のご確認をおすすめします。
早く取りたいなら、早期審査・スーパー早期審査
権利化を急ぎたい場合は、早期審査という制度があります。
中小企業や個人、大学等による出願や、すでに事業として実施している発明などが対象になり得ます。
手続にあたっては「早期審査に関する事情説明書」を提出します。
手数料はかかりません(審査請求料などは別途必要です)。
さらに急ぐ場合には、より短期間で審査が進むスーパー早期審査もあり、スタートアップ向けの枠(スタートアップ対応スーパー早期審査や面接活用早期審査)も用意されています。
資金調達や製品ローンチのタイミングに権利取得を間に合わせたい、という場面で有効な選択肢になり得ます。
費用や制度の使い方は、事業の段階や狙いによって最適解が変わります。
「うちの場合はどう進めるのがよいか」を一緒に整理させていただきますので、どうぞお気軽にご相談ください。
出典・参考
- 特許庁「特許料等の減免制度」: https://www.jpo.go.jp/system/process/tesuryo/genmen/genmensochi.html
- 特許庁「スーパー早期審査について」: https://www.jpo.go.jp/system/patent/shinsa/soki/super_souki.html
- 特許庁「特許審査に関するスタートアップ支援策について」: https://www.jpo.go.jp/system/patent/shinsa/soki/patent-venture-shien.html
※ 料金・減免率・件数制限・早期審査の要件・補助事業の内容は改定されることがあります。公開前および出願前に、必ず特許庁の最新情報をご確認ください。具体的な費用は発明の内容や請求項数により変動します。

